立ち向かってきたこと
先輩社員インタビュー
システム部システムアーキテクトG
歴史はあるけど新しい会社
中西金属工業との出会いは合同説明会。歴史のある会社だから、きっと考え方も古臭いのだろうとあまり期待はしていなかった。ところが、ブースを訪ねてみると雰囲気が明るく、資料はピシッとしている。なにより、採用担当者が真っ青のセーターを着てオシャレだった。もしかして、古いけど新しいことができる会社なのかな?大学の就職課の人に聞くと、「社員を大切にするいい会社」だと勧められた。子育て支援など女性に優しい制度もあるらしい。個人的に魅力に感じたのは働き方が明確だったこと。残業はたまにある程度。じゃあ、定時のときはご飯食べて帰れるかな。勤務地は大阪なので実家から通える。配属は管理本部のシステム開発と明言されたこともありがたかった。プログラムなんてほとんど触ったことがなかったけれど、先輩の仕事を手伝いながら覚えた。3年経つ頃にはできる仕事の範囲も広がった。シンプルなのに効率的なプログラムができれば、やった!って感じ。少しずつ自信はついていた。
「相手の立場になって考えてみて」。新入社員のときから先輩方に教えられてきた言葉。「もう考えているのに」と強がってきたけれど、入社以来初めて悩んだ。4年目、初めて用件定義から全体設計を任された。輸送機事業部からの依頼で、日報を管理するシステムをつくることになった。依頼元からの要望は尽きることがない。こんなに盛り込んで、納期に遅れたらどうなるんだろう?考えると怖くなった。ある日、突然道がひらけた。絵を描くことが趣味の私は、以前から画面の「色」に疑問を持っていた。システムの作り手は色に無頓着な人が多い。けれど、明度差が少ないと見えにくいと感じる人もいるはず。偶然そんな話を依頼元の相手にしたら、「そやねん、実は僕、見えにくいねん」。初めて悩みをわかってもらえたとうれしそうだった。「あ、これか」。誰もが人に言わない、人に言えない悩みを持っている。言っても仕方がないと諦めている。システムを通してそんな悩みを少しでも楽に出来るのではないか。それから仕事への取り組み方が変わった。
たとえば、古いOSを使い続けるユーザーがいる。システムを導入する際、OSの対応範囲を広げると納期とコストに大きな影響が出る。「なんで古いOSを使ってるんですか?」「使い慣れている昔のアプリがあってね…」「なるほど、そういう思いがあったのですね」。まず相手の立場に立つ。そうすると、相手も胸襟を開いて一緒に対策を練ってくれる。こちらも覚悟が決まる。スッと相手の横に並ぶ。「ただスケジュールが厳しくなるので、一緒に考えていきましょう」。名付けて「寄り添い方式」。システム屋だからこそ、人との関係はシステマティックにならないよう人の気持ちを大事にする。社内SEって人間くさい仕事なんです。言われた通りに作りました、では私は悔しい。こっちが先回りして潜ませた手を、ユーザーが使っている最中に気づく。「あ、こんなこともできる!」。驚きの声が上がる。しめしめ。これが私の美学。相手が達成したいと願う以上の成果を生み出したい。
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